2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

小人と7人の姫君(仮)5

「 小人、いまむかし 2 」 も、いいや。 とにかく話を聞いてあげよう。 由姫は、淹れたてのコーヒーを、メガネ小人のカップに注いでやった。 おもいっきり熱いのを。 「で?」 純真無垢な笑顔を浮かべて、メガネ小人を促す。 コクリと頷いたメガネ小人は、カ…

小人と7人の姫君(仮)4

「小人、いまむかし 1 」 「ドゾ、お座りくだサイ。」 リビングに入ると、メガネ小人はまるで自分の家のように、由姫に椅子を勧めた。 自分はさっさと2人掛けのソファに腰掛けている。 それから帽子を持ち上げると、中から小さなティーカップを取り出した。…

 小人と7人の姫君(仮)3

「 小人、遭遇 3 」 メガネ小人が呆れた顔をした。 メガネをクイってしながら。 左手の中指でクイってしながら。 「普通、若い女性なら、『きゃ〜、カ〜ワ〜イ〜イ〜』とか何とか言いながら、 大興奮でボクのことを触りまくって、妖精ちゃん王子だとか、天使…

小人と7人の姫君(仮)2

「 小人,遭遇 2 」 「き」 「コニチワ〜」 由姫に悲鳴を上げる隙も与えずに、ソイツは挨拶した。 外見にピッタリ合った、妙に可愛らしい声が小憎らしい。 そう、由姫の目の前に小人が出現したのだ。 唐突に。 「な?だっ…そこ!?」 「ハイ、ソファから高速…

小人と7人の姫君(仮)1

「 小人,遭遇 1 」 小人が世界を支配したらしい。 と言っても、由姫には実感が無かった。 この国のトップが青い顔で「小人特別法」を発表して1週間。 特に変化も影響も見られない。 高校がお休みになったのだって、たったの1日。 マスコミが、この世の終わ…

ネコノベル20 

ある初冬の晴れた日 皆様ごきげんよう。 わたくしはチロル。誇り高きノラ猫。 今日もお昼過ぎまで挨拶が無いにゃんて、わたくしの下僕は何を考えているのかしら。 再教育が必要にゃようね。 それはいいとして、早く食事の用意をにゃさい? あら、もう用意し…

 ネコノベル19

ある初冬の晴れた日アタシはニャンコ。 名前はピノ。 お昼ゴハンを食べてから、またご主人たまのお布団に潜り込もうとしたら、お外に出されそうににゃった。 ぃにゃぁん。 まだお家に居るよぅ。 にゃ! ご主人たま、お出かけにゃの? じゃぁ、アタシはお留守…

 ネコノベル18

ある晴れた初冬の夜中 アタシはニャンコ。 名前はピノ。 日が暮れて、2階に灯りが点いたら、ご主人たまのリラックスタイム。 アタシも一緒にリラックス。 ご主人たまぁ、入れてくだたぁい。 「ピノか?また屋根から来たんか?」 ご主人たまが、落ちるから危…