小人

小人と7人の姫君(仮)10

「 小人、いまむかし 6 」 由姫の顔が真っ赤に染まる。 「ふざけんなーっ!!!」 「ふ、ふざけてなんかいまセン。ちょ!リードで殴ろうとスルのはやめてくだサイ。」 「うっさい!存在のおかしさから見てアンタがハンティングの目的でしよ!!なのにどうし…

小人と7人の姫君(仮)9

「 小人、いまむかし 5 」 「あ、あ、あれって何!?い、犬?犬が空飛んでんの?」 由姫は近付いてくる犬達の大きさに驚愕した。よく見ると角まで生えている。 「だから、ゲイブリエルの猟犬たちデス。地獄の犬デスね。」 物分かりの悪そうな人物に諭すよう…

小人と7人の姫君(仮)8

「 小人、いまむかし 4 」 これ幸いと、由姫は急いでリビングから飛び出した。 いつまでもメルヘン小人の相手なんてしてらんない。 「シュピーゲル、どうしたの?」 由姫は中型の雑種に呼び掛けたが、彼は無視して吠え続けている。 普段は可愛らしいその顔が…

小人と7人の姫君(仮)7

「 小人、いまむかし 3 」 「もう、本当に勘弁してくだサイ」 小人が半泣きで訴えた。 微妙にメガネフレームが歪んでいるところから、バトルの凄まじさが推測出来るだろう。 まあ、一方的な戦いだったけど。 「…なんで無抵抗なのよ?」 肩で息をしながら、由…

小人と7人の姫君(仮)6

「 小人、いまむかし 3 」 「ボクの名前はイェルグリ。ハノーバー国第4王子デス。」 でっかく出た! 由姫は思わずコーヒーを吹き出す所だった。 「え…っと?お、王子様なんだ。え?どこの国?ヨーロッパ?」 「イエ、ボクの国はヨーロッパにはありまセン。 …

小人と7人の姫君(仮)5

「 小人、いまむかし 2 」 も、いいや。 とにかく話を聞いてあげよう。 由姫は、淹れたてのコーヒーを、メガネ小人のカップに注いでやった。 おもいっきり熱いのを。 「で?」 純真無垢な笑顔を浮かべて、メガネ小人を促す。 コクリと頷いたメガネ小人は、カ…

小人と7人の姫君(仮)4

「小人、いまむかし 1 」 「ドゾ、お座りくだサイ。」 リビングに入ると、メガネ小人はまるで自分の家のように、由姫に椅子を勧めた。 自分はさっさと2人掛けのソファに腰掛けている。 それから帽子を持ち上げると、中から小さなティーカップを取り出した。…

 小人と7人の姫君(仮)3

「 小人、遭遇 3 」 メガネ小人が呆れた顔をした。 メガネをクイってしながら。 左手の中指でクイってしながら。 「普通、若い女性なら、『きゃ〜、カ〜ワ〜イ〜イ〜』とか何とか言いながら、 大興奮でボクのことを触りまくって、妖精ちゃん王子だとか、天使…

小人と7人の姫君(仮)2

「 小人,遭遇 2 」 「き」 「コニチワ〜」 由姫に悲鳴を上げる隙も与えずに、ソイツは挨拶した。 外見にピッタリ合った、妙に可愛らしい声が小憎らしい。 そう、由姫の目の前に小人が出現したのだ。 唐突に。 「な?だっ…そこ!?」 「ハイ、ソファから高速…

小人と7人の姫君(仮)1

「 小人,遭遇 1 」 小人が世界を支配したらしい。 と言っても、由姫には実感が無かった。 この国のトップが青い顔で「小人特別法」を発表して1週間。 特に変化も影響も見られない。 高校がお休みになったのだって、たったの1日。 マスコミが、この世の終わ…