小人と7人の姫君(仮)2

 
「 小人,遭遇 2 」
 
「き」
 
「コニチワ〜」
 
由姫に悲鳴を上げる隙も与えずに、ソイツは挨拶した。
 
外見にピッタリ合った、妙に可愛らしい声が小憎らしい。
 
そう、由姫の目の前に小人が出現したのだ。
 
唐突に。
 
「な?だっ…そこ!?」
 
「ハイ、ソファから高速移動しました。
 
 床の上をススっと滑って。
 
 小人には簡単デス。」
 
あたふたしている由姫に笑みを投げ掛け、小首を傾げる。
 
まるで、由姫の言いたかったことは、コレで合ってる?とでも言うように。
 
その愛らしい姿に、由姫は一瞬で癒されかけた。
 
コ、コイツは反則だわ!
 
めっちゃカワイイよ!
 
由姫は、改めてマジマジと小人を見つめる。
 
全身白のコーディネートで、大きさは親指くらい?
 
動くたびに、三角帽子の先に付いている、フワッフワの毛玉が動くのがまた小動物っぽくていい。
 
あああああ、触りたぁい!
 
ほわっとした表情で、その小人の頭をナデナデしようとした由姫だが、何か得体の知れない力で止められた。
 
「オサワリは禁止デス。」
 
「あ、そうですか、すいません。」
 
素直に頭を下げた由姫が、ふと我に返る。
 
「なんで小人のくせにメガネッ!!!?」
 
「ええ〜?
 
 ツッコムとこ、そこデスかぁ〜!?」
 
 
 
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