ネコノベル17

 
                 ある秋の晴れた夕方

アタシはニャンコ。

 
名前はピノ
 

ご主人たまの浮気性に、イ〜ッってにゃって昨日からお家へ帰ってにゃいけど、もう限界。
 

おにゃかが。
 

だから、まだまだ腹が立つけど帰ることにした。
 

でも、にゃんとにゃく気まずい感じ。
 

なのでアタシは、にゃるべく小さい声でご主人たまを呼んでみた。
 

これに気付かにゃかったら、もう1日ハンストするにゃ。
 
 

 

…ご主人たまぁ、入れてもらえますか?
 


 

ほんとに小さく鳴いたのに、すぐにドアが開いてご主人たまがすごい勢いで出てきた。
 

ピノたぁん!良かったよぅ。どっか行ったか車に轢かれたかと思ったよ〜。
 

早く家に入り?まんまあるよ、まんま。」
 

あはぁ、ご主人たまったら心配し過ぎ!
 

でも、すっごく嬉しいにゃぁ。
 

ピョコンとお家に入ると、「おかん」も大喜びしてくれた。
 

「帰ってきたの?ほらほら、魚食べんさい!」
 

わぁい。食べるぅ。
 

でも、ミラクルはこれで終わりじゃにゃかった。
 

普段は厳しい「親父」まで、自分の食べていた煮魚をアタシにくれたにゃ。
 

もしかして、アタシって愛されてる?
 



 
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ネコノベル16

 

                 ある秋の晴れた夕方

アタシはニャンコ。
 

名前はピノ
 

またご主人たまが、あの黒猫にゴハンをやっている。
 

しかもアタシの銀のスプゥン。
 

ア・タ・シの銀のスプゥン。
 

許せにゃいにゃ!
 

ゆ・る・せ・にゃ・い・にゃ!
 

これはもう懲らしめてやるしか、他に方法はにゃい。
 

アタシは決心した。
 

いつもの様にお夕飯を済ませると、アタシはさっさとお外へ出て行く。
 

今日はお風呂上りのご主人たまの足の臭いを嗅ぐのも、脇のくぼみに頭をスリスリするのも無し!
 

知らにゃいもん。
 

ご主人たまにゃんて、アタシを探して泣き叫べばいいにゃ。
 

それでも出て来てやらにゃいもんね!
 

にゃ!
 

そろそろ夜が明ける。
 

おにゃかが減った…けどガマン。
 

ご主人たまが、お顔をグシャグシャにして、鼻水垂らしながらアタシを探しに出てくるまで許さにゃいもん。
 

うふふ…うふふ…
 

 

にゃ!

 
寝てたみたいにゃ!
 

お昼かにゃぁ。
 

お家の方から良い匂いが漂ってくるにゃぁ。
 

でもまだ帰らにゃいもんね!
 

ご主人たまが、両手にお魚を持って「申し訳ございません」って謝りに来るまで知らんぷりにゃ。
 
 


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 ネコノベル15

  

                 ある秋の晴れた昼



皆様ごきげんよう
 

わたくしはチロル。誇り高きノラ猫。
 
 
 

秋の穏やかな昼下がり。
 

そろそろ下僕が、わたくしの食事を用意してくれるハズですわ。
 

あら、ピノお姉さま。お食事はお済みににゃりまして?
 

まぁ、このわたくしを無視して行くにゃんて、にゃんて礼儀を知らないニャンコにゃのかしら。
 

挨拶くらいしても良さそうにゃものじゃない?
 

別に遊んでくれと頼んでるワケじゃにゃいし…
 

ま、まぁ、そちらがどうしてもって頼むんであれば考えてあげにゃいこともにゃくてよ?
 

って、もうお姿が見当たりませんわ。
 

ニャンコの話はちゃんと聞くべきでしょ?
 

失礼にゃ方ねぇ。
 

あら、下僕。ごきげんよう
 

わたくしの食事はどうしたのかしら?
 

「あ、ゴメンね〜、チロルたん。
 

食うもの無いから買出しに行ってくるわぁ。」
 

…ッ!
 

…ッ!
 

…ッ!
 

よ、よろしくてよ。
 

わたくしは誇り高いノラ猫ですもの。
 

ニ、ニンゲンにゃんかに施しを期待してませんわ。
 

で、でも早くお帰りににゃって?
 


 


 


 

ハッ!車の音!
 

あれは間違いにゃく下僕の車!
 

でもこちらから出迎えなんてしませんことよ?
 

わたくしは誇り高いノラ猫ですもの。
 

べ、別に待ってたワケじゃありませんし?
 

「チロルたん、お待たせ〜。
 

今日はチーズを買ってみたよ〜。」
 




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 ネコノベル14

 

                 ある秋の晴れた昼

アタシはニャンコ。
 

名前はピノ
 

今日もご主人たまとお昼までたっぷり睡眠。
 

ご主人たま、そろそろお昼ごはんの時間にゃ。
 

起きようよ起ようよ起きようよ!
 

アタシはいつもの様にご主人たまを起こす。
 

そしたら気配を察したのか、小ニャンコ娘のチロルがお外で鳴き出した。
 

鬱陶しいにゃ。
 

アタシとご主人たまのラブラブランチを邪魔するんじゃにゃいにゃ。
 

アンタは招かれざるニャンコにゃの!
 

って、ご主人たまもそわそわするんじゃにゃいにゃ!
 

にゃ、にゃにをする気!?
 

あ、冷蔵庫を物色し始めた。
 

「あれぇ、何もないなぁ。」
 

にゃいにゃらほっとけばいいよ、ご主人たま。
 

アタシはさっさと、ご主人たまがご用意してくれた銀のスプゥンを食べ始めた。
 

ん?
 

ご、ご主人たま!?
 

その手に持ってるのは銀のスプゥンじゃにゃいの?
 

アタシの銀のスプゥンじゃにゃいの?
 

ピノたん、これ、ちょっとだけやってもいいかな?
 

いいかな?
 

う〜わっ、そんな怖い顔せんといて〜や。
 

いいよね☆」
 
 


 
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ネコノベル13

 

                 ある秋の晴れた朝

アタシはニャンコ。
 

名前はピノ
 

早朝からご主人たまのお布団でぬくぬく。
 

ニャンコ冥利に尽きるにゃ。
 

でもそろそろおにゃかが減ったにゃ。
 

ご主人たまはまだ寝てる。
 

起こすと悪いかにゃぁ。
 

でも、おにゃか減ったにゃぁ。
 

ちょっとだけ鳴いてみようかにゃ?
 

「にゃん…にゃ。」
 

アタシは遠慮がちに声を出してみた。
 

そしたらご主人たまが飛び起きたの。
 

「いっや〜ん、ピノたん。今“にゃんにゃ”って鳴いた?
 

もしかして“まんま”のつもりで鳴いたの?
 

儂がいっつも、まんままんま言ってるから?
 

えぇ〜?賢いね〜、ピノたんたぁん。」
 

ご主人たまは一人で盛り上がってた。
 

どうやら喜んでくれたみたい。
 

…偶然とは恐ろしいにゃぁ。
 

でもその後のご主人たまの発言で、アタシは凍りついた。
 

「ネコってさぁ、ゴハン関係になるとしゃべるのかなぁ?
 

外の黒猫いるやん?チロルたん。
 

アイツもこの前“にゃんま〜”って鳴いたんだよね〜。」
 

ご主人たま…
 

すでに名前まで付けてやがるにゃ。
 

にゃ、それ以前にチロルとやらに先を越されたのがムカつくにゃ。
 

絶対に負けられない戦いだにゃ!
 
 




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 ネコノベル12


                 ある秋の晴れた日

アタシはニャンコ。
 

名前はピノ

 
アタシがお外に出にゃくにゃったスキに、新顔の黒猫がアタシのお気に入りの場所を占領してた。
 

悔しいにゃぁ悔しいにゃぁ。
 

でも、お二階のべランダには登ってこにゃいみたい。
 

だから、お昼のアタシの居場所はそこ。
 

今日もウツラウツラとお昼寝ライフを満喫にゃ。
 

でも、アタシは気が付いた。
 

夜ににゃると、お二階の窓に灯りが点る。
 

そして、どうもご主人たまの気配。
 

なので今日は、勇気を出して、こっそり鳴いてみた。
 

そしたらご主人たまがビックリした顔で、窓を開けてくれたにゃ。
 

すかさずえぐる様に飛び込むべし!
 

あは〜、お布団!お布団だぁ。
 

揉み揉みしていいかにゃぁ。
 

気持ちいいにゃぁ、ご主人たま。
 

アタシは嬉しくなって、ご主人たまのお顔を見上げた。
 

そこでご主人たまは正気に戻ったらしい。
 

「足を拭け、足を!」
 




 
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 ネコノベル11


                 ある晩夏の晴れた日

アタシはニャンコ。
 

名前はピノ
 

避妊手術が終わって、傷口が塞がるまでお家の中でぬくぬく過ごしていたら、お外に敵の気配を感じた。
 

にゃぁにゃぁ煩く鳴いている。
 

そしたら、ご主人たまがそ〜っと銀のスプゥンを持って、お外に出て行った。
 

ああ!ご主人たまの浮気者
 

分かってるんだからにゃ!
 

また他のニャンコに目移りしてるってことは!
 

アタシも開いたドアから様子をうかがってやった。
 

そしたら、アタシより小さい黒猫が、ご主人たまに媚びを売ってたにゃ。
 

ご主人たまのニヤけた顔なんて見たくにゃい。
 

ちょっとシめてくるにゃ。
 






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