ネコノベル13

 

                 ある秋の晴れた朝

アタシはニャンコ。
 

名前はピノ
 

早朝からご主人たまのお布団でぬくぬく。
 

ニャンコ冥利に尽きるにゃ。
 

でもそろそろおにゃかが減ったにゃ。
 

ご主人たまはまだ寝てる。
 

起こすと悪いかにゃぁ。
 

でも、おにゃか減ったにゃぁ。
 

ちょっとだけ鳴いてみようかにゃ?
 

「にゃん…にゃ。」
 

アタシは遠慮がちに声を出してみた。
 

そしたらご主人たまが飛び起きたの。
 

「いっや〜ん、ピノたん。今“にゃんにゃ”って鳴いた?
 

もしかして“まんま”のつもりで鳴いたの?
 

儂がいっつも、まんままんま言ってるから?
 

えぇ〜?賢いね〜、ピノたんたぁん。」
 

ご主人たまは一人で盛り上がってた。
 

どうやら喜んでくれたみたい。
 

…偶然とは恐ろしいにゃぁ。
 

でもその後のご主人たまの発言で、アタシは凍りついた。
 

「ネコってさぁ、ゴハン関係になるとしゃべるのかなぁ?
 

外の黒猫いるやん?チロルたん。
 

アイツもこの前“にゃんま〜”って鳴いたんだよね〜。」
 

ご主人たま…
 

すでに名前まで付けてやがるにゃ。
 

にゃ、それ以前にチロルとやらに先を越されたのがムカつくにゃ。
 

絶対に負けられない戦いだにゃ!
 
 




ネコノベル14へ。 
 
 
押していただければ幸いです。
      ↓
 
人気ブログランキングへ