ネコノベル16
ある秋の晴れた夕方
アタシはニャンコ。
名前はピノ。
またご主人たまが、あの黒猫にゴハンをやっている。
しかもアタシの銀のスプゥン。
ア・タ・シの銀のスプゥン。
許せにゃいにゃ!
ゆ・る・せ・にゃ・い・にゃ!
これはもう懲らしめてやるしか、他に方法はにゃい。
アタシは決心した。
いつもの様にお夕飯を済ませると、アタシはさっさとお外へ出て行く。
今日はお風呂上りのご主人たまの足の臭いを嗅ぐのも、脇のくぼみに頭をスリスリするのも無し!
知らにゃいもん。
ご主人たまにゃんて、アタシを探して泣き叫べばいいにゃ。
それでも出て来てやらにゃいもんね!
にゃ!
そろそろ夜が明ける。
おにゃかが減った…けどガマン。
ご主人たまが、お顔をグシャグシャにして、鼻水垂らしながらアタシを探しに出てくるまで許さにゃいもん。
うふふ…うふふ…
…
にゃ!
寝てたみたいにゃ!
お昼かにゃぁ。
お家の方から良い匂いが漂ってくるにゃぁ。
でもまだ帰らにゃいもんね!
ご主人たまが、両手にお魚を持って「申し訳ございません」って謝りに来るまで知らんぷりにゃ。
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