ネコノベル 6
ある冬の晴れた夜
アタシはニャンコ。
名前はピノ。
今日はゴハンがとっても遅い。
忘れてるんじゃないかと思って、さっきからず〜っと催促してるのに、あのニンゲンがなかなか出て来てくれない。
おにゃかが減ったよぅ。ゴハン〜!ゴハン〜!ゴハン〜!ゴハン〜!ゴハン〜!
いっぱいいっぱい鳴いてたら、やっとお家のドアが開いて、ゴハンをくれるニンゲンが出てきた。
でもいつもと様子が違ってて、なんだか元気がにゃいみたい。
どうしたの?どうしたの?どうしたの?どうしたの?どうしたの?
「ごめんなぁ、今日はホントに静かにしてな。」
いつものように銀のスプゥンを出してくれたニンゲンの声は、ちょっと震えてた。
そしてポロポロ涙を流しながら、そぉっとお家に戻ったの。
次の日から、老いぼれワンコの姿が見えにゃくにゃった。