ネコノベル 3
ある晩秋の晴れた日
アタシはニャンコ。
名前はピノ。
絶好のゴハン場所を見つけた。
その家は、昼間はおばあちゃんしか居なくて、ドアも開けっ放しでスキだらけ。
ただ、お庭にワンコが寝てるので注意しなきゃいけないの。
でもそのワンコは、耳も遠くて目も悪い老いぼれワンコ。
アタシの敵じゃないにゃぁ。
今日もそっと遠くから回りこんで、開いてるドアからお部屋へダイブ。
お皿の中にたくさん入っているゴハンは、アタシが食べてたゴハンと良く似てる。
モリモリ食べてたら、車から出てきたニンゲンと目が合った。
たいへん!早く逃げなきゃ!
アタシは、ちょっぴり開いた窓から軽快に飛び降りた。
フットワークには自信あるの。
だって、ニャンコだもん。
安全な場所まで逃げ切って後ろを振り向くと、さっきのニンゲンの声がした。
「おばあちゃん、またノラ猫がドッグフード食った!」