ネコノベル 2

 
                           ある秋の曇った日

アタシはニャンコ。
 

名前はピノ
 

今は御主人たまというスポンサーもついて、ぬくぬくライフを満喫中のアタシだけど、去年の今頃は途方に暮れてたにゃぁ。
 

前の御主人たまが動かなくなって、しばらく経ったある日、たくさんのニンゲンがアタシの家にやって来た。

 
アタシはビックリして隅っこに隠れたんだけど、1人のニンゲンがアタシの首を乱暴に掴んだの。
 

そして気付いたら、全然知らない場所に放り出されてた。
 
 
お魚の臭いが染み付いた漁村。

 
アタシは一生懸命、御主人たまを探したんだけど、見付からなくて泣きそうになった。
 

でも、その辺をウロウロしてたら、知らないニンゲンから水をかけられたり、大きなオスニャンコが威嚇してきて、アタシは隠れ場所を探さなきゃならないことに気付いたの。
 

だけど、どこを探しても、他のニャンコの縄張りだったり、怖い所だったりで、アタシの居場所はどこにもにゃい。
 
 
それにしても、おにゃかが減ったにゃぁ。

 
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